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カギも思い出の一つです

11月 18th, 2013 / / categories: カギのお話 /

私は生まれてから24年間、ずっと同じマンションに住んでいました。
父親が転勤するような仕事についていないということもあったでしょうが、本当に生まれてた時からそこに住んでいたので、学校に行っても友達と遊んでも、社会人になって働き出してからも、帰る場所はそのマンションでした。
しかし、社会人2年目の時に、そのマンションが取り壊されることになりました。
もともとかなり築年数の古いマンションでしたので、仕方がなかったのですがとてもさみしかったのを覚えています。
大家さんがその土地を別の業者に販売したため、完全取り壊しです。
決してきれいなマンションではありませんでしたが、私からしたらたった一つの自分の家だったので、どうしても思い出が欲しかったのです。
しかし、完全取り壊しとなると、何も残りません。
そのため、合い鍵の一つを思い出の品とすることにしました。
かさばるものではありませんので、両親にも内緒でこっそり1つだけ、カギをポケットに忍ばせて、そのマンションを立ち退きました。
今でもそのカギは大切に保管しています。
もう、何も開けることが出来ないものですが、私にとってはとても大切なものです。
それから、一人暮らしを初めて結婚してと色々とありましたが、悲しいときや昔を思い出したい時など、それを見るようにしています。
使っているときは何の思い入れもなかった品物で、今は他人からしたら何にも価値のないものですが、私にとっては大切な宝物です。

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